月: 2023年1月


  • TGR2022 大賞・神谷新人賞エントリー審査 選評

    【大 賞】    弦巻楽団「#37 1/2 ピース・ピース」

    【優秀賞】    Stokes/Park「フゴッペ洞窟の翼をもつ人」

             劇団新劇場「幕末遊郭純情譚」

             THEATRE MOMENTS「遺すモノ~楢山節考より~」

    【神谷新人奨励賞】立命館慶祥高校演劇部「拍手の弾丸」

    【特別賞】    ダンスカンパニーKIKIKIKIKIKI「MUSUME-Dojoji」

     

    今年のTGR札幌劇場祭のエントリー作品は、このコロナ禍にあって、各劇団が工夫して作品を創り出したという強い意欲を感じることができました。審査員が第一に推す作品が皆違ったことからも、多彩な力作揃いであったことを示しており、審査も拮抗いたしました。

     

    栄えある大賞には、弦巻楽団「#37 1/2 ピース・ピース」が選ばれました。

    本作品は、母と娘の心情の交差を丁寧に描いた脚本が素晴らしく、その脚本を抑制のきいた演出で見事に舞台に具象化していました。俳優の微妙な言葉や感情の揺れ動きを丁寧に演じていたことが評価されました。

     

    優秀賞には3作品が選ばれました。

    Stokes/Park「フゴッペ洞窟の翼をもつ人」は、私たち人間がどんな立ち位置で生きていくのかということを考えさせられるなど、深い思いの中で作られた作品でした。メッセージ性がある脚本に陥ることなく、一人ひとりの人物をきちんと描いて、丁寧に気持ちを込めて作品にしている点が評価されました。

     

    劇団新劇場「幕末遊郭純情譚」は、舞台美術や衣装から役者の演技に至るまでの要素から、観客が幕末の世界観に惹きこまれ、何より観ていて楽しい作品でした。60年の長きにわたり作品を創り続けてきたこと故の良さが表れ、未来に継いでいることが評価されました。

     

    THEATRE MOMENTS「遺すモノ~楢山節考より~」は、小道具の使い方や身体表現での魅せ方など、完成度の高い作品でした。結論を出すのではなく、様々な視点を提示するという、今の時代に演劇が取る立ち位置を考えさせられる点が評価されました。

     

    神谷新人奨励賞には、立命館慶祥高校演劇部「拍手の弾丸」が選ばれました。

    演劇を創り、夢を追い続けることの勇気と困難を、高校生の感性で表現した作品でした。高校演劇が、学生演劇、社会人の演劇、プロの演劇と交流を持つという点で、札幌劇場祭に高校演劇部が参加する意味は大きく、その点も感謝し、今後への期待を込めた評価となりました。

     

    審査員特別賞には、ダンスカンパニーKIKIKIKIKIKI「MUSUME-Dojoji」が選ばれました。

    鍛え上げられた身体能力の高さと、刻々と変化する舞踏に目が離せない舞台でした。静と動の緩急自在な動きに多くの観客が惹きこまれていた点が評価されました。

     

    札幌劇場連絡会

     

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