02 MARUZEN&ジュンク堂書店 札幌店
札幌市中央区南1条西1-8-2 高桑ビルB2~4F
TEL:011-223-1911
URL:http://honto.jp/store/detail_1570046_14HB320.html
今年のテーマは「アートを通して平和を考える」。多くの人々の犠牲の上に立って、私たちは平和を、自由を享受している。戦争は多くの芸術家達にとって価値観が全く変わるような大きな体験だった。一枚の絵や写真が、一本の映画が、そして一冊の本がより多くの人の想像力を豊かにし、多角的な見方を促して蛮行を思いとどまらせてくれる、そんな可能性を信じたい。思わず目を背けたくなるかもしれない。それでも私たちは過去から学ぶ必要がある。同じ過ちを繰り返さないために。
書店員さんおすすめの本をご紹介する「アートブックフェア」が始まりました! 「MARUZEN&ジュンク堂書店 札幌店」では、地下2階のエスカレーター近くにコーナーがあります。
書店員さんが「アートを通して平和を考える」をテーマにおすすめしてくれた4冊の本をご紹介します。2022年2月にロシアがウクライナに侵攻し、戦争が他人事ではなくなってしまいました。だからこそ、今、目を向けてみてほしい本の数々です。
こちらのパネルが目印です。是非、書店員さんのコメントもご覧ください。
★戦争とデザイン
著者:松田 行正
「戦争」と「デザイン」に関係があると考えたことがあるでしょうか。この本では古代ローマ時代から、第一次世界大戦、第二次世界大戦、ロシアによるウクライナ侵攻まで、各時代の戦争で使われた色や、しるし、表現などが紹介されています。手法によってはデザインが戦争の悪と正義のイメージを強烈に印象付け、翻弄もさせます。
第一次世界大戦では軍用機や階級章などに「★」印が多用されました。志願者を集める際のキャッチコピー、ヒトラーのカギ十字、ウクライナのゼレンスキー大統領のTシャツとロシアのプーチン大統領のスーツなど、グラフィックデザイナーでもある著者がデザインの視点から読み解きます。
★レニ・リーフェンシュタールの嘘と真実 著者:スティーヴン・バック
レニ・リーフェンシュタールは、1902年ベルリン生まれ、2003年に101歳でその生涯を閉じた、ダンサー、女優、世界初の女性映画監督です。1936年ベルリン大会の本格的長編オリンピック公式記録映画『オリンピア』の監督もしました。この映画は「ヒトラーのオリンピック」ともいわれています。また、映像美では高い評価を得た映画「意志の勝利」では、ナチス・ドイツの大規模な党大会ヒトラーのカリスマ性を広く知らしめることとなりました。
このように、ナチスのプロパガンダ映画に関わったとして彼女には「ヒトラーの協力者という悪評がついてまわります。この本では、長きにわたって世論と闘いつづけた彼女の、その嘘と真実について書かれています。
美しい映像と独裁者。その映像や作品作りは、今の時代はどのように感じるのでしょうか。
★ひろしま
著者:石内 都
石内 都さんは、木村伊兵衛写真賞、東川賞国内作家賞、日本写真協会賞作家賞など受賞した女性写真家。この写真集では、広島に投下された原爆で亡くなった人の「遺品」を撮影したもの。花柄のワンピース、化粧品の瓶など、そこには「死」だけでなく、確かに生きていた人の「生」も感じます。
広島の原爆の記録を、美しい芸術写真として残している一冊です。
★総員玉砕せよ!新装完全版
著者:安野光雅
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で漫画家の水木しげるさんは、太平洋戦争に出征し、爆撃で左腕を失っています。
この本は、実体験をもとに描いた戦争の漫画。実際に目で見た体験を自身で描いているので、その内容はリアル。戦争の無意味さと悲惨さが描かれています。
書店員さんは「小学生にオススメの本」として紹介しています。ぜひご家族で読んでみてはいかがでしょうか。
さっぽろアートステージの「アートブックフェア」の並びでは、他にもたくさんの芸術本が紹介されています。芸術の秋に新しい本との出会いを探しに、本屋さんに行ってみませんか?