ART STREET


チ・カ・ホ ART STREET University student ART Competition

さっぽろアートステージ2020のアート作品の展示が11月7日(土)から始まりました。
ここでは、会場に展示されている作品を紹介いたします。

まずは、道内の美術系大学の作品を対象とした「University student ART Competition」の作品です。

こちらは6校の大学から各1名参加しています。

 

星槎道都大学 西村 遥奈さん

作品タイトル「名所蝦夷百景 大通り公園 春夏秋冬」

活気のある札幌。というのを作品にしたいと思いました。また浮世絵風の作品にしようと思った理由は、以前から 浮世絵に興味があったのと、今回の作品では日本の文化を表現したかったからです。浮世絵は日本の江戸時代、160 年前昔に庶民に親しまれていました。江戸時代と現代とでは文化も文明も異なっているところがたくさんあります が、私達が日常を過ごすのと同じような、昔の人の日常を浮世絵から感じました。戦後 75 年、北海道 150 年、日本 の文化、と言われてもよく分からない気持ちもあります。昔の浮世絵が現代にも繋がっているようなオマージュの作品をつくり、私自身少しでも日本の文化、歴史の流れを感じ、表現したいと思いました。

北翔大学 岩永昴樹さん

作品タイトル「国宝級怪物阿修羅」

通行人向けのコンセプト:私がこの作品を制作しようと思ったきっかけは、以前から国宝である「阿修羅」をモチーフにキャラクターとして描いてみたかったからです。私は人の腕や手のひらには不思議な魅力があると思っています。しなやかに描けば女らしさが、ふとましく筋ばらせて描くと、この上なく力強い印象を与えることができます。なので私にとって阿修羅とは必然的に魅力の塊なのです。八方に伸びる腕に目がついているのには私なりの解釈があります。このキャラクターの元になっている国宝である阿修羅の腕を見ていると全てを見透かされている気になりませんか?国宝である威厳がひしひしと伝わってきます。

 

札幌大谷大学 川村正寿さん

作品タイトル「スイミング・イン・ザ・モーニング」

絵の面白いところは、平面上に絵の具と自身の身体を使うことで世界を作ることができるとこ ろです。その作り出した世界の中では画家が、光、重力、形、色などのあらゆる法則を自在に操 ることができます。  カメラが普及されてから、画家が絵の主題を自身で選べるようになり、画家が「何をどう見て いるのか」という主観が重要視され、絵の具の物質感や筆致が大胆に残った「絵らしい絵」が描 かれるようになりました。私たちは、画家が残したその筆致から画家の性格や当時の感情、体験 した空気感を何百年も時が経た現在でも痛々しいほどに感じ取ることができます。 私たちが生きている現代では、テレビ、ゲーム、インターネット、スマフォ、VRなどが普及し、 絵画以外にも様々なメディアを通して画像を見る機会が増えています。その視覚が絵画にも実験的 に取り入れられている現代で、私が魅力的に感じる絵画は、画家が日々の営みの中で感じてきた 喜びや幸せ、一方で苦しみ、悲しみなど人間の不安定な精神性が豊かに筆致や色に生々しく宿っ ている絵画です。私自身も自分が体験した感覚が絵を見ている人にも伝わるような絵画を目指し て行きたいです。  今回は、雨上がりの早朝4時に近所を散歩した時に感じた浮遊感がモチーフになっています。自分以外誰もいない時間帯に自分の現在地を見失いそうになる感覚が恐ろしくも心地よく感じまし た。

 

札幌市立大学 阿部嵐さん

作品タイトル「みるためのスクリーン/Interwoven Landscape」

昨今、私たちの身の周りにはディスプレイが溢れ、スクリーン越しの風景を見ながらの、 視覚情報に頼ったコミュニケーションが増えてきました。 しかしながら、「見る」は「観る」や「看る」でもあり、単なる視覚を超えた「心」の問題でもあります。 実際に近代以前の日本では不明瞭なものに想像力を発揮し、ものごとを「みる」文化がありました。 かつて織物が貨幣の役割を持っていた頃、人々は織文様を「みて」その価値を決めていました。本作品は、手作業で織り込まれたスクリーンによって人々が行き交うチカホの景色を再編し、 その先に新しい風景を「みる」ための試みです。

 

東海大学 河野紫杏さん+吉村優子さん ユニット名「他人丼」

作品タイトル「空蝉と薄暑」

作品コンセプトは、今年の夏です。今年の夏はコロナウイルスの影響で、あまり夏らしいイベント(お祭りや、花火大会など)がありませんでしたが、二人で夏を感じられるような思い出作りをすることができました。それを、真逆である二人の世界観を利用して残暑を感じながら来年の夏に思いをはせつつ作品を制作しました。 今回このコンペに二人で参加することによって、このコロナ禍でも二人の思い出を増やすことができうれしく思います。

 

北海道教育大学 宮出実希さん

作品タイトル「笑わないスペクトルム」

今回は様々な「距離」をテーマに作品プランを構想しました。昨今の感染症対策により、以前の ような接触や密な環境での作品鑑賞は困難になっていることや、スマートフォンの普及やネット環 境の充実によって「見たいもの」をすぐ手にできてしまう環境で、私自身も作品を展示する=現 地に来て鑑賞してもらうことの意義が変化しているように感じます。このような「実感のない実 態」または「実態のない実感」を、地下歩行空間という公共の場での展示を通して、作品を作る 側も鑑賞する側も再確認する作品になればと考えています。

Category: ART STREET 

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