出張Think School 作品紹介
出張think Schoolでは札幌駅前通地下歩行空間を会場に、3つの展示を行っています。
①「北海道で1番小さな村 音威子府村展」
―Think School 7期最優秀賞受賞者企画―
北海道で唯一の“工芸科“の学校である「北海道おといねっぷ美術工芸高等学校」に入学し、3年間を音威子府村で過ごした“おと高卒業生“が、村を活性化させるための第一歩として、村に興味を持ってもらい、知名度を上げることを目的に作品展示を行っています。
<出展者>
五十嵐公弥、川尻舜、谷口早希、越智柊太、金丸虎次朗
<企画者>
五十嵐深紅
川尻舜
作品名 鶴「鶴Ⅲ」「鶴」「鶴Ⅱ」
油彩、キャンパス
214×214mm
折り紙の持つ緻密なデザインや独特の風合いをとらえ、改めて平面に起こすことで、この国に生まれた証や生き方の表現に繋がると思い描きました。
谷口早希
作品名 風景画、額
インク、木材(サペリ)
210×297mm
ライフワークであるマンガ背景の製作と、今でも大切な趣味である木工芸を組み合わせました。現在は会社員として働く私ですが、卒業生がそれぞれ様々な道を歩む中に、音威子府で過ごした時間や学んだ事が息づいている事を表現する事ができたら幸いです。
越智柊太
作品名 Unhorse
ダンボール、ボールペン、アクリル
727×910mm
作品シリーズ「UN」の一つ。
馬と縞馬は近い存在であるがイコールではない。そんな近いが違う、というか要素を詰め込んだ作品である。
馬だけど馬ではなく、縞馬だけど縞馬でなく、カモフラージュだけどカモフラージュでなく、立体的だけど立体的でない。そんな描き方を考え、面に描き起こした。
金丸虎次郎
作品名 O stool
木材(ナラ)
W350×D350×H550mm
北海道鷹栖町産のナラ材を使用した、シンプルなスツール。地域材を活用するため、小径木からも作れるよう、細いフレームと樹皮を活かした座面で構成した。
サイドテーブルとしても使いやすいサイズ感を目指した。
五十嵐公弥
作品名 人
木材、金属、PPシート他
300×300×1500mm
音威子府で僕に一番影響を与えたのは人だと思い、誰一人として同じ性格、思考の人はいなく、外見とのギャップを感じる人も多かったため、そんな人をモチーフに作りました。
②「Think School 制作コース7期 現役生展」
Think School 制作コース7期現役生による中間報告展です。
飯田渚
作品名 残英(ざんえい)
2023年/594×841×5mm
散りゆくまで、どう声をかけるのが花にとって幸せなのか。
果たして正解などあるのか。
私はただひたすら伝えられなかった父への思いを言葉にした。
それは、私のエゴでしかない。
人間には寿命があるように花にも寿命がある。
花は何を思い散っていったのだろうか。
そして、土へと還る。
小笠賢社
作品名 草が生える。
2023年/ミクストメディア/900×1100mm
この作品は喪失をテーマにしています。札幌の住宅街で、刈っても除草剤を撒かれても何度も生えてくる雑草から紙を作りその上に様々な喪失をテーマにしたモチーフを描きました。
上から下に向かって時は流れていきますが、左右でも関連があるかもしれません。何かを失った時、それは痛みを伴います。
でも時が経てば完全ではなくても喪失に向き合えるようになる。それは何度刈られても、毒を流されても生えてくる草に似ていると思うのです。
Hisako Kozeni
作品名 出逢い
2019年―2023年/ミクストメディア
紙の色彩、材質、デザイン、コピーに惹かれ、消費されるモノの再創造をコラージュとして創り続けています。
高橋一矢
作品名 YELLOW YELLOW HAPPY
2023年/ハンバーガーの包み紙、ケチャップ/850×1100×30mm
ロシアのウクライナ侵攻により戦争が始まったことで戦争について考えてみたが、日本にいる自分には現実味が無く、他人事のように感じた。反戦、平和への祈りの象徴である折り鶴をモチーフにファストフード(ハンバーガー)の手軽さと平和ボケしている自分自身の戦争に対する軽薄さを重ねて表現した。
高橋優羽
作品名 就活症候群
2023年/カンヴァス、アクリル絵の具、モデリングペースト/
720×720×25mm
幼い頃から「将来何になりたい?」と聞かれてきた。大学4年生の就活で、どう在りたいか、何になるかを選択するタイミングがきた。自己分析では尺度と解釈がむげんにあった。ジブンはダレなのか。就活をすることを飲み込めず休学した。何かになるためになるための焦りと不安が常にある。多分、何になろうとジブンは変わらないし、本当は何かになる必要もないのかもしれない。一方で、何かになれるほど器用ではないジブンに落胆している。
「自己肯定感」…随分と流行っている。ポジティブの押し付けに呼吸が浅くなる。カラフルなモザイクのなかに黒い円が浮いている。モザイクは過去なのか未来なのか、鮮やかに見える周囲なのか。黒円は心のどこかに確かにある不安感を立体的に表現した。リクルートスーツを着たくない自分は綺麗な真っ黒には描けなかった。この絵はミライへの不安や矛盾、皮肉を抱えたイマココを受容させてくれた。
③「Think School 卒業生展」
Think School 卒業生展では、卒業生有志の作品を展示します。
飯田こころ
作品名 ペーパー
2023年/和紙/2000×2000×2000mm
わたしたちは自由な眼差しを持っている。
そして日々、気任せに対象を写し取っては、イメージの世界に綴じ込めている。
その空間には、現実とは違った空っぽの存在もいて、辺りにはぼんやりとつかみどころのない気配が立ち込めている。
あるもの、ないもの、あるようでない曖昧なもの、すべてがないまぜに重なり合う中、誰も知る由もなく息づく本当の何かは、今もその霧の中を彷徨っている。
大塚朋子
作品名 最後の晩餐(習作)
2023年/2000×3000×1500mm/ミクストメディア、映像(8:22)
自分の人生に関わるほどの状況に直面し、限られた時間で何かを成し遂げなければならないとしたら、一番重要なものは何だろうか。
時間?効率?過程?質?量?それ以外?
人生最後の日に食べたいと思うほどカレーライスが好きな私が、二通りの方法でカレーを作りながら、そんなことを考えてみた。
Imagine facing a situation that impacts your life and having to achieve something within a specific period of time. What would be the most significant thing to do? Time? Efficiency? Process? Quality? Quantity, or anything else?
I cooked my favourite dish, Curry & Rice, in two different ways to find my answer because it should be my last supper in my life.
坂本敦
作品名 良い一日を!(Have a Good Day!)
2023年/2000×2000×2000mm/
マスク(Masks as emotional expression(Irritated,Happy<Gloomy,Horny and so on))
マスクを押せるハンコ(Self-inking stamps as your will)、
マスクに書けるマジック(Markers as your will)
山口哲志
大怪獣展
2023年/紙粘土、発泡スチロール、新聞紙、絵の具
作品を作る時、あれやこれや言葉を弄して、つい「芸術作品」にできないかと考えてしまう。
良さげな「意味」をつければうまく芸術の粋に転げこむことができるのではないか?
そんなコトはどうでもいいから怪獣を作ろうぜ。
だってかっこいいんだもの!