TGR2019一覧


  • TGRアカデミーレポート

    第9回シアター・オリンピックスレポート
    ‐演劇が観劇者に提供する価値について‐

    演劇家族スイートホーム所属
    髙橋 正子

    まずは、このような貴重な経験をさせていただいた、さっぽろアートステージ実行委員会、シアター・オリンピックス実行委員会、SCOTの皆さん、富山県利賀村の皆さん、瑞峯の女将さん、関係者の皆さんに感謝いたします。

    TGRアカデミー応募理由
    昨年、TGR札幌劇場祭にて私が脚本演出をつとめた『裸足でベーラン』が新人賞を受賞しました。私はその過程の中で演劇を作る人も観る人も多くの時間や、感情、金銭が消費されていることを痛感しました。『裸足でベーラン』はその時やれるだけの事を尽くした演劇です。しかし、私一人だけが満ち足りた演劇を作っているだけで良い訳がないと考えるようになりました。劇団にも、役者にも、スタッフにも、劇場関係者にも、何より観劇に来ていただく方々にも消費したものに見合った、またはそれ以上の価値を提供できるような存在になりたい、そう思いTGRアカデミーに応募しました。

    選択コースについて
    私は、より多くの演劇を観ることで、自身の演出や価値観の幅を広げ、それを演劇に還元したいと考えました。その為、世界の舞台芸術を鑑賞出来る「第9回シアター・オリンピックス」旅費助成コースを選択しました。9月5日から9月9日の5日間で、7本の演劇を観劇、2本のシンポジウムに参加しました。演出家の国籍で言うならば、中国(台湾)、韓国、インド、ポーランド、ロシアと日本を含め6か国の演劇を鑑賞しました。
    このレポートでは、舞台芸術やシンポジウムから学ぶことの出来たことの中から、いくつか抜粋して5日間の経験をまとめさせていただきます。

    「役者」の価値について
    シアター・オリンピックスで最初に観劇したのは台湾の振付師による舞台芸術『沈黙の島‐新たなる楽園‐』でした。まず驚いたのは、360度どこからでも演者を観ることができる点です。私が今まで経験してきた一方向からの視点とは違い、演者は全方向から鑑賞者の目線にさらされることになります。それは逆に言えば、演者に絶対的な自信と価値があることの表れだと、その時感じました。この舞台芸術は1時間以上走って舞って身体表現する舞台芸術でした。また、『剣を鍛える話』『世界の果てからこんにちは』(どちらも日本国籍の演出家)では、野外劇場という声が四方に散ってしまう環境にも関わらず、台詞を聞き漏らすことは一度もありませんでした。『アンヘリ‐呻き‐』(ポーランド国籍の演出家)に出演する役者兼歌い手は伝統音楽の歌手と長期に渡って仕事をし、実際の典礼や葬儀に参加できるようになるまでの経験を積んでいます。その経験による歌は全身粟立つ程の荘厳さと美しさでした。
    そんな演劇を観る中で、役者の能力が作品の価値に直結していると痛感しました。私は、脚本と演出の出来が役者を活かしもするし、ころしもする、そう思っていました。一方で、シアター・オリンピックスでは役者が脚本、演出を活かす場面に多く出会いました。私の当時の考え方も有り得ることだとは思います。しかし、シアター・オリンピックスでは世界を代表する演出家、脚本家の作品の価値をさらに倍増させる役者しかいませんでした。役者は演劇に含まれている価値なのではなく、演劇の付加価値に等しい存在だと今更ながら気づくことができました。
    シアター・オリンピックスに役者として参加した方々の付加価値になるまでの努力は素人同然の私の想像を超えたものだと思います。しかし、一劇団員である身として、公演稽古以外の努力が重要であることを学ぶことが出来ました。

    ハコへの柔軟性について
    先ほど紹介した『沈黙の島‐新たなる楽園‐』は、鑑賞者が演出に合わせて移動する様子から、鑑賞者自身も作品の一つと思えるような作品です。その為、演者と鑑賞者の線引きがなく、空間そのものが作品という印象でした。また『十二人』(ロシアの演出家)では、円状の舞台の中心に観劇者を配置し、その周りで役者が演技をするという変わった構造になっていました。時には役者が観劇者の後ろに回り込み、死角からの台詞や口頭による効果音は言いようのない恐怖感や不安感を掻き立て、演劇にのめり込むきっかけとなっていました。
    今まで、舞台があって、観劇者がいて、上手と下手がある劇場(ハコ)が当たり前でした。その為、舞台の作りや、観劇者の目線から考えて一から箱をつくることにとても衝撃をうけました。同時に、演劇という芸術はどこまでも自由で柔軟であることを痛感しました。そして、演出家や脚本家の柔軟性がその演劇の可能性につながると考えます。私が脚本、演出に携わるとき、自由に柔軟に構想出来ればできるほど演劇の可能性や価値は多様化できると学びました。

    古典戯曲が共通言語になる
    演劇が海を渡る際にぶつかる壁の一つに「言語」があると思います。シアター・オリンピックスでも、様々な言語の元、公演が行われました。対策として、字幕を表示する、事前にあらすじの書かれたレジュメの配布などがありました。インド国籍の演出家による『マクベス』はレジュメの配布のみで字幕が一切ない演劇でした。シェイクスピアの四大悲劇として有名な『マクベス』ですが、私は恥ずかしながら前日まで大まかなあらすじ程度しか知りませんでした。しかし、偶然宿泊先で話した男性から「あの演劇はマクベスを一度読まないと楽しめないと思います。よかったら」とマクベスを貸していただきました。この男性がいたおかげで、約2時間を楽しむことが出来ました。あの時の男性には心から感謝しています。
    その後、「マクベス」について改めて考えると、私は、戯曲を一本読んだだけで言語の壁を軽々と超えたことに気づきました。マクベス夫人の朗報を受けての狂気と歓喜に満ちた感情や、マクベスの罪悪感と欲望の板挟みによる葛藤は言葉が理解できなくても感じ取ることが出来たからです。マクベスを一読していなければ、人物関係すら理解できませんでした。古典戯曲は図書館や本屋に行けば誰でも手に取ることが出来る気軽な台本です。故に、言葉が理解できずとも、海を越えてきた演劇だとしても、観劇者はその片鱗を理解することが出来ると知りました。
    また、創作者は古典戯曲を理解する観劇者へ、たったワンフレーズで膨大な情報量を提供できると学びました。『世界の果てからこんにちは』では、野外劇場で何十発もの花火が打ちあがり「今まで演劇だと思っていたものだけが演劇じゃなかったのか」と思わせる演出が多くありました。そんな演出にただただ圧倒され観劇を終えた後、男性からマクベスを借りる一件がありました。マクベスを読み終えた後、『世界の果てからこんにちは』の台詞の中にマクベスの台詞が練りこまれていたことに気づきました。その瞬間、ただ圧倒されていた私から、演劇の台詞をマクベスの戯曲に沿って考察できる私に変化していました。
    古典戯曲の一節は感情を圧縮して伝えてきます。例えば「おお、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの」この台詞だけで聴く人は、役者が恋愛感情を向ける相手がいることまで想像します。それはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の有名すぎる一節であり、物語が悲劇的結末を迎える2人の恋愛物語だと知っているからです。
    古典戯曲は、それを知っている人に演劇の世界観をより深く考えてもらえる共通言語的存在だとシアター・オリンピックスで学びました。逆に言えば、「知らなければわからない」とも言えます。しかし、国際演劇の祭典であるシアター・オリンピックスでは最適なツールだったのではないかと考えます。古典戯曲の一節は瞬間的に感情や背景といった多くの情報を伝える力を持っています。それは演劇を楽しむ人だけに理解できる特典です。こうした共通認識が札幌の演劇で広まれば広まるほど、演出、脚本の可能性は広がり、観劇者もより深いところで演劇を楽しめるのでは、と考えます。また、古典戯曲だけでなく、社会背景や歴史上の出来事なども共通認識しやすいカテゴリーだと考えます。演出、脚本に携わるにあたって、そういった共通認識しやすいカテゴリーの知識は必要であり、能動的に学ぶ重要性を再認識しました。

    演劇による問いかけ
    『世界の果てからこんにちは』の脚本演出家であり、日本を代表する演劇人である鈴木忠志氏によるトークショーの中で、芸術家は作品を通じて鑑賞者に質問を投げかけるといった話がありました。解決できない問題こそ芸術で問いかけ、鑑賞者が答えを探す。私はこの話を聞いた時、創作者の原動力を言語化しているのだと思いました。理解してもらわずにはいられない、言葉に出来ない感情や、社会背景への意見など演劇の原点は創作者の「伝えずにはいられない」という焦燥感だと考えます。それが普遍的な話題であったり、鑑賞者の関心が深い内容であったりするほど、演劇による作り手と鑑賞者とのコミュニケーションはより深まります。
    今後の創作において「どうしたら観る人全員にウケる演劇が作れるか」を考えていた私にとって、鈴木氏の話は目から鱗でした。もちろん、観劇者の意思を繊細に考えることは演劇を提供する者として考えなくてはならない課題ではあります。同時に、創作の熱量がなくてはならないと考えることができました。演劇は完成が無く、さらに長い時間多くの人と練り上げる芸術分野です。公演まで走りきるためには、観劇する側の目線だけではなく、創作者の意欲との両立が必要だと再認識することができました。

    さいごに
    これまで、いくつか学んだことを列挙してきました。私がシアター・オリンピックスで学んだこと、気づいたこと、考えたことをすべて言語化することは難しく、またすぐに実行することも困難です。故に、これから長い時間がかかってでも着実に少しずつ実現していきたいと考えています。実行する中で今回学んだこととは真逆の結論になる場合や、考えが浅かったと思う時があるかもしれません。しかし、それもこの経験がないと気づけない事だと思います。
    今回の経験だけで、観劇者に、演劇に関わる人たちに対して「演劇に触れた価値」を生み出しきれるとは思いません。これからも、この経験をより多くの人に還元する為に、価値を作るために、常に学ぶ姿勢を持って演劇に関わっていこうと、シアター・オリンピックスで改めて決意しました。

    Category:TGR2019
  • TGR2019【新人賞】講評

    ■ポケット企画「おもり」

    まず、劇場に入った時から聞こえてくる音楽が、作品の世界へ入り込む手助けをしてくれます。雑然とした舞台に立つ演者と音楽が上手に融合し、作品をまとめあげている印象を受けました。

    彼ら彼女らの世代から見た、一種のモラトリアムを、音楽の力を借りて上手に表現していると感じました。

    全体として、とても完成度が高く、自分たちが「やりたいこと」をしっかりと見据え、丁寧に作り上げてきたのだと思わせる作品でした。また、滑舌がとてもよく、聞き取れないセリフがない。という当たり前の基本をしっかりと積み重ねている方たちだと感じました。どれだけ優れた脚本であっても、セリフが聞き取れないというのは観客にとって非常にストレスを感じるものです。基本をおざなりにしない誠実な作品づくりの姿勢がとても好印象でした。

    作品としては、不条理劇に分類されるでしょうか。丁寧に芝居を作っている反面、脚本としてはまだまだ言葉選びや表現に拙さを感じる部分もあり、もっと説得力を持たせられるように磨いていってもらいたいと思います。

    また、生演奏が単なるBGMにとどまらず、環境音やSE、情景を表すツールとしてしっかりと取り入れられていたことは素晴らしく、十分評価に値しますが、シアターZOOの空間を活かすためには盛り込みすぎかな、という印象でした。本当に伝えたかったものを伝えるときに、少し障害となっていたのではないでしょうか。

    今後も自分たちが目指す先を見据え、見せたいものを見失わず、それでいて“ポケット“のサイズを空間に合わせて自在に変えていける、そんな柔軟性をもって作品に向かい合っていくことを願っています。

    ■MoB stud!o「ミュージカル Little Step」

    一番大きな印象として、最後までしっかりと飽きずに楽しむことができる2時間だったと言えると思います。

    子供たちのひたむきさ、一生懸命さ、華やかな衣装や照明など、出演している子供たちをいかに輝かせるか、ということに力が注がれている作品だと感じました。出演者一人一人が自信を持って舞台に立っていると同時に、それをサポートする大人の演者もしっかりと技量を持っているな、という印象を受けました。観客のみなさんも、とても温かく見守っていて、それぞれが作品に満足していらっしゃるように見えました。

    反面、大人たちの存在感とストーリー上での役割の大きさが、メインの子どもたちと拮抗してしまっていたように感じました。子どもたちをより輝かせるためにも、大人の露出を控え、演出上の見せ方を工夫して欲しいところです。また、場面転換や演出が単調なため、ストーリーに入り込みきれない引っ掛かりを感じる場面が多く、全体を通すと物足りなさを感じました。

    また、舞台は、音響、照明、美術、演者など様々な要素が複合した総合芸術です。衣装やダンスの出来上がりに比べて、舞台美術や演出効果に粗が目立っていたことが悔やまれました。

    今後も、ショーミュージカルとしての更なる躍進を期待しています。

    ■十一匹のネコ

    確かな技術が求められるこの脚本に挑んだ彼女たちには拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。

    何度観ても、あの結末には胸が締め付けられてしまいます。約50年も前に書かれたにもかかわらず、いつの時代にも通じる普遍的なテーマが描かれているこの脚本は、“音楽”と “言葉あそび“を巧みに使ってネコたちが社会風刺を痛烈に歌い上げています。

    歌はもちろん、ダンスもふんだんに取り入れられているこの音楽劇を演じきったにゃん太郎・にゃん十一をはじめ、すべてのネコたちが溌剌とした演技で終末へと向かっていく様子は素晴らしいものでしたが、後半に向けて息切れしてしまった感が見受けられました。前半の期待感があっただけに、魚を骨だけにしてしまった時の衝撃、そしてユートピアを追い求め続けた者の悲しい末路、そういったどんでん返しが効果的に描き切れていなかったことが非常に惜しまれます

    普遍的なテーマとはいえ、「ベトナム戦争」などの細かい背景が、この現代で、現代の若者たちが演じる上での“ずれ”を感じました。この作品を上演するのであれば、テーマを見失わないことはもちろんのこと、その上での演出の工夫や、時代考証などがもう一つ足りないような印象でした。

    この難しい作品に挑み、見事に演じきったキャスト・黒子のみなさんの、来年以降の活躍が非常に楽しみです。

    ■み・ん・な・の・お・し・ば・い

    高校の演劇部として初めて賞にエントリーし、見事な作品を見せてくれました。

    まず、何と言っても先生役の2人の高校生とは思えない安定感、存在感がステージ全体を引き締め、しっかりと芝居を牽引していくさまは素晴らしいものでした。もちろん、それを支える部員や仲間、ストーリーテラーのストップウォッチも重要な役割をきっちりと果たし、ひとつの作品を作り上げていました。

    万人に伝わるハートフルなストーリーを、主軸の2人が引っ張ることでしっかりと描き切っていたと思います。

    惜しまれるのは、パトスという会場を想定した作品・演出ではなく、大きなホールでの上演を考えた演出でまとまっていた印象を受けたことでしょうか。照明の綺麗さ、テンポや芝居のリズム、どれを取っても、客席との距離が近くて天井も低いパトスでは本来の良さを活かし切れていなかったように思います。

    結果として、単調で起伏に欠け、照明の移り変わりは目まぐるしいが印象が薄く、伝わるまでの距離が近いことによりスピード感に物足りなさを感じてしまいました。

    高校生ならではの自由さや柔軟さ、数々の演劇を観て体験している生徒たちの経験を存分に活かし、高校演劇の枠に囚われない表現をする彼ら彼女らを観てみたいと思わせる座組でした。今後の活躍が楽しみです。

    ■GOING STEADY

    壮大な長編コント。この作品の印象をまとめるとこの一言に尽きると思います。

    バカバカしさ、汗臭さをふんだんに盛り込んだこの作品は、わかりやすいストーリーと個性的なキャラクターが言葉の応酬を積み重ねてラストまで走り抜ける嵐のようでした。

    出演者もみな上手で、一つ一つしっかりとネタを積み重ねて、観る者を退屈させない構成だったと思います。言葉選びに脚本家のこだわりを感じさせ、伏線を回収していくことで、しっかりと笑わせてくれる作品でした。

    全体としては面白く観ることができましたが、“期間限定・年齢制限あり”の笑いも多く、一度取り残されると最後まで置いて行かれてしまう危うさを感じました。TGRの作品が必ずしも全年齢向けの作品でなければならないことはありませんが、これだけ言葉を巧みに操り、ストーリーも見せられる脚本を書けるのであれば、「身内ウケ」から一歩踏み出した作品を作って欲しいなと考えてしまいます。

    また、作品上「窓」が関係することが多く、必然的に注目を浴びやすい箇所であるのに、舞台美術の窓にシワが寄っているなど、もったいないと思える点が多くありました。窓から差し込む光にシワの影が映り込むことで「作り物」であることを思い出させ、物語から一歩引いてしまう要因にもなっていたように思います。

    全体的にはよくまとまっており、所属するメンバーも魅力的な役者が揃っていることもあって、来年が楽しみな団体になりそうです。

     

    2019年は総じてレベルが高く感じました。

    それぞれ良さはありつつも、まだまだと感じる点も多くありました。

    しかし、10代~20代前半の若者が大半を占める団体が活躍していることを非常に嬉しく感じるとともに、これからの躍進に期待が高まる5団体でした。

    Category:TGR2019
  • TGR2019【大賞】選評

    今回の大賞審査会で、大賞候補として推薦された作品は、

    トランク機械シアター「ねじまきロボットα~ぼくは忍者の夢見丸~」
    劇団 風蝕異人街「ギリシャ悲劇 エレクトラ」
    COWS「フォーゲット・ミー・ゴッド」
    演劇家族スイートホーム「わだちを踏むように」
    OrgofA「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」
    メロトゲニ「こぼれた街と、朝の果て。~その偏愛と考察~」
    RED KING CRAB「ありあけ」
    座・れら「私 ~ミープ・ヒースの物語~」
    総合芸術ユニットえん「半神」

    の、9作品でした。

    これらの作品について協議を行ったところ、栄えある大賞には『RED KING CRAB「ありあけ」』が選ばれました。

    本作品は、脚本や演出、演技や舞台セットにいたるまで全てが作り上げられており、誠実で温かく、真っすぐさを感じさせられるものでした。
    脚本も凝りすぎたものではなく、直球で投げられたボールを、観客も真正面から受け止められる、シンプルだからこそ人々に届くストーリーだったように思います。

    また、丁寧に作られた舞台セットが、劇場に入った瞬間から観客を作品へ惹きこんでゆき、さらには前説などで空気感をきちんと作り上げられ、作品の世界へスムーズに入っていくことが出来るものでした。

    陽の光・影の表現や、作品によりそった音楽などが、役者の技量ある演技力と組み合わさることで、素晴らしい効果となっており、その完成度の高さが評価のポイントとなりました。

    優秀賞の2作品(演劇家族スイートホーム「わだちを踏むように」、OrgofA「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」)ですが、審査員それぞれが上位に上げており、大賞とは非常に僅差でした。

    〇演劇家族スイートホーム「わだちを踏むように」
    丁寧な演出と安定感のあるストーリー展開で、観客を物語にぐっと引き込み、見る人に寄り添った作品づくりがされていました。
    「家族」という普遍的なテーマを描いてはいるものの、こういうお芝居がしたいという気持ちがストレートに感じ取ることが出来るものでした。
    また、舞台セットや音楽・照明も見事で、時間の移り変わりを視覚的に表現するなど、ストーリー以外の部分でも、細部にわたり丁寧に作り上げられていた点が評価されました。

    〇OrgofA「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」
    ブロードウェイの名作を役者2人が身体を張って見事に演じ切ったことが高い評価ポイントにあげられました。
    長い上演時間でありながら、観客は役者のパワーで作品に惹き込まれ、時間を忘れてしまうほどの熱のある作品だったように思います。
    自分は決してそんなことはしないというごく普通の人の潜在意識をピンポイントで刺激し、虚構のなかで「もしかしたら」「ひょっとしたら自分も」と思わせてしまう、素晴らしい構成と演出でした。原作の魅力を損なうことなく形にしていたと思います。

    また、受賞には至りませんでしたが、『メロトゲニ「こぼれた街と、朝の果て。~その偏愛と考察~」』では、クラウドファンディングで中高生を100人招待するなど、演劇の文化を広めようとする姿勢が高い評価を集めました。

    札幌劇場連絡会

    Category:TGR2019
  • 「TGR札幌劇場祭2019」今年の受賞作品が決定しました!

    劇場に足をお運びいただいた沢山の皆さま、ありがとうございました。
    そして、参加してくださった劇団のみなさま、約1か月間お疲れ様でした。
    去る12月4日のキューブガーデンで授賞式が開催され、TGR2019各賞は、以下の結果となりました。
    受賞団体の皆さま、おめでとうございます。

    ■TGR札幌劇場祭
    【大賞】RED KING CRAB「ありあけ」
    【優秀賞】Org of A「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」
    【優秀賞】演劇家族スイートホーム「わだちを踏むように」
    【特別賞】座・れら「座・れら10周年記念 第15回公演「私 ~ミープ・ヒースの物語~」
    【特別賞】世界エイズデー札幌実行委員会「PRESENT」より恒本礼透さん
    【特別賞】総合芸術ユニットえん「半神」より中野葉月さん
    【新人賞】ポケット企画「おもり」

    【俳優賞】
    飛世早哉香さん(Same Time,Next Year-来年の今日もまた-/Org of A)
    井藤淳矢さん(ありあけ/RED KING CRAB)

    【TGRの首位打者】人形劇団ありんこ 人形劇「おおかみと七ひきのこやぎ」ボードウィル「かえるの合唱」ほか
    【TGRのホームラン王】トランク機械シアター 「ねじまきロボットα~ぼくは忍者の夢見丸」

    Category:TGR2019
  • 劇場連絡会招聘公演のご紹介

     

    韓国から劇団 現場(ヒョンジャン)がTGRに参加!

    45年の歴史をもつ専門芸術法人“劇団現場”

    韓国の劇団の中で初めて社団法人に登録し、会員43名・常勤団員10名で構成される専門劇団です。

    参加作品は「ジャンク クラウン」

    遊びがとても好きなクラウンたち(Clown)は、遊びながら互いに笑いと楽しさを分かち合う。 捨てられたドラム缶、自転車のハンドルなどの“ジャンク”を利用して遊ぶのは、まるで遊園地の迷路探険のようにワクワクと楽しさでいっぱい!

    詳しい内容、日程はこちらから

    http://s-artstage.com/2019/tgr/list/劇団現場

    Category:TGR2019
  • TGRアカデミー2019の奨学生が決定しました。

    札幌で活動する若手演劇人のスキルアップを目指す人材育成企画「TGRアカデミー」。

    今年度は、下記の3つのコースをご用意しました。
    ・韓国エンターテインメント体験ツアー
    ・全国小劇場ネットワーク会議 in 京都 参加サポート
    ・第9回シアター・オリンピックス旅費助成

    面接でお話を伺った結果、今年度は「髙橋 正子」さんを奨学生として迎えることに決定いたしました。

    髙橋さんは現在、演劇家族スイートホームで脚本家・演出家として活動していらっしゃいます。昨年、脚本・演出を担当した作品『裸足でベーラン』は、みごとTGR札幌劇場祭新人賞に輝きました。
    演劇公演の品質を向上させ観劇料以上の価値をお客様に提供したいと考えていらっしゃるそうで、「より多くの演劇作品に触れ、創作の幅を広げたい」という意欲の大きさから、今回の奨学生に選ばせていただきました。

    髙橋さんが希望されたのは「第9回シアター・オリンピックス」旅費助成コースです。
    「シアター・オリンピックス」とは、世界の優れた舞台芸術作品の上演のほか次世代への教育プログラムも実施される国際的な舞台芸術の祭典で、今年は日本とロシアの共同開催となります。日本プログラムは、富山県利賀芸術公園で開催されています。

    国際的にも質の高い演劇作品を多数観られるこの演劇祭でたくさんの事を吸収し、
    より良い作品を作り上げてくれることを期待しています。

    髙橋さんの報告レポートは12/4に行なわれるTGR授賞式のほか、公式サイトにも掲載予定です。お楽しみに!

    Category:TGR2019
  • TGR2018の大賞作品の再演が決定

    TGR2018の大賞作品の再演が決定しました。
    もう一度観たい方も、昨年見逃した方も!
    是非ご来場ください。

    ≪TGR札幌劇場祭2018 大賞作品≫
    世界エイズデーシアター「TEA FOR TWO~二人でお茶を~」

    【作】 関根 信一(劇団フライングステージ)
    【演出】町田 誠也(劇団words of hearts)

    【出演】
    村上義典、梅原たくと(ELEVEN NINES)

    【日時】
    10月4日(金)20:00
    10月5日(土)13:00/18:00
    10月6日(日)13:00  各開演
    ※開場は開演の30分前

    【料金】
    前売り 1500円
    当日  2000円
    ※税込・全席自由

    【会場】
    ターミナルプラザことにパトス
    札幌市西区琴似1条4丁目 地下鉄東西線琴似駅B2F

    【お問合せ】
    世界エイズデー札幌実行委員会
    e-mail:info@wad-sapporo.org
    Tel:090-2876-6519

    【作品紹介】
    1980年冬の札幌。ホテルの一室で一夜を過ごした亮平と健人。
    亮平は年に一度東京からやってくる妻子持ちの数学教師。
    健人は札幌在住の母親と二人暮らしのゲイ。年に一度のデートを重ねていくことにした二人。
    二人の愛と友情を笑いと涙でつづる25年間の物語。

    Category:TGR2019
  • 【募集】2019年度 TGRアカデミー

    札幌劇場連絡会 奨学制度
    「2019年度 TGRアカデミー」募集要項

    [TGRアカデミーとは]
    札幌劇場祭TheaterGoRoundの10 周年を記念して2015年にスタートした、
    札幌で活動する演劇人のスキルアップを目的とする演劇奨学制度です。
    日本国内や海外で行われる公演を鑑賞したり、セミナー・講座などに参加し
    そこで吸収したことを今後の創作活動に活かすことで、
    札幌の演劇活動レベルを向上させる人材の育成を目的としています。
    ご応募お待ちしています。

    [2019年度研修内容]
    今年度は3つのプログラムをご用意いたしました。
    以下の中からご希望のコースをお選び下さい。

    A.韓国エンターテインメント体験ツアー

    <概要>
    韓国ソウルで上演されている舞台作品のなかから
    現地の小劇場スタッフがおススメする作品を観劇するコースです。
    (観劇する作品はご自身で選んでいただくことも可能です。)
    また、11月の札幌劇場祭にて上演される日韓劇場祭交流事業作品の観劇および交流会への参加も。

    <日程>
    2019年7月~11月のうちご希望の日程

    <奨学金の対象となる経費>
    ・旅費(航空券代、宿泊費)
    ・観劇チケット代
    ※食費、パスポート取得にかかる費用は対象外です。

    B.全国小劇場ネットワーク会議 in 京都 参加サポート

    <概要>
    京都で開催を予定している「第3回全国小劇場ネットワーク会議 in 京都(全国の小劇場関係者、
    演劇制作者、俳優、劇団による集い)」への参加をサポートします。
    基調講演や劇場・劇団からのプレゼン、グループディスカッション、交流会等。
    劇団運営や公演制作に興味がある方、道外公演を考えている劇団にお勧めです。
    全国の小劇場関係者との繋がりをつくる絶好の機会です。

    <日程>
    2019年8月20日・21日

    <奨学金の対象となる経費>
    ・旅費(航空券代、宿泊費)
    ※食費は対象外です。

    C.シアター・オリンピックス 旅費助成

    <概要>
    富山県・利賀芸術公園で開催される「第9回シアター・オリンピックス」への交通費・宿泊費を最大5万円まで補助します。

    <シアター・オリンピックスとは>
    鈴木忠志、テオドロス・テルゾプロス、ロバート・ウィルソン、ユーリ・リュビーモフ、ハイナー・ミュラーら、世界各国で活躍する演出家・劇作家により、1993年ギリシアにおいて創設された国際的な舞台芸術の祭典。
    芸術家同士の共同作業によって企画されることを特徴としていて、世界の優れた舞台芸術作品の上演のほか、次世代への教育プログラムも実施される。2019年は日本とロシア2か国で共同開催。
    チケット料金;一公演2,000円、トーク・シンポジウム・ワークショップ見学は無料。

    <日程>
    2019年8月23日~ 9月23日

    <奨学金の対象となる経費>
    ・旅費(航空券代、宿泊費)最大5万円まで。
    ※食費・観劇チケット代は対象外です。

    [応募資格]
    ・応募時に20 歳以上の方
    ・上記の旅程に参加できる方
    ・12月第一週目に行なわれるTGR授賞式に出席できる方
    ・札幌で演劇活動の経験があり、今後も札幌で活動する意志がある方。スキルアップ意欲のある方(受賞経験不問)

    [定員]1名

    [報告について]
    以下の資料を提出していただきます。
    ・報告書(行程や訪問先などについて報告)
    ・レポート(学んだことや抱負など自由形式で1,000字~2,000字)
    ・報告用写真(会場の外観や公演ポスター、ミーティングやWSの様子など)
    ・精算書(対象経費一覧、観劇作品チラシ、チケット半券、訪問先の名刺など)の提出。
    ※行程およびレポートはTGRのサイトなどで公開します。
    ※TGR授賞式でレポートの報告をしていただきます。

    [募集スケジュール]
    2019年
    6月1日 応募書類受付開始
    6月20日 締切(必着)
    6月21日~28日 面接

    [応募方法]
    専用応募用紙に記入の上、下記提出先まで提出してください。
    (郵送・持参・メール添付のいずれか)

    応募用紙(PDF)はこちら

    [提出先]
    〒060-0033
    札幌市中央区北3条東5丁目岩佐ビル1F
    演劇専用小劇場BLOCH
    TGRアカデミー係

    mail@bloch-web.net

    [お問い合わせ]
    演劇専用小劇場BLOCH
    011-251-0036

    Category:TGR2019