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TGR2013 審査員の講評 第2弾!

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TGR2013審査員の講評第2弾は、フリーの編集者・ライターとしてご活躍中の
ドゥヴィーニュ仁央さん。
ウェブサイト「FREEPARER WG」や
「ジュウダイ!」
札幌のアートシーンを独自のモノサシで選び発信中です!
今年は審査員2年目。おつかれさまでした!
(以下、原稿)
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劇団の皆様、及び関係者の皆様、約1カ月間にわたりお疲れ様でした。
自分が見た作品に関しては自身のサイト(http://www.freepaper-wg.com/ )で感想を交えて全て紹介しており、交流会で話すことができた人たちにはその他のこともいろいろと伝えることができたので、ここでは、今年自分の中でクリアになったことを書きたいと思います。
それは、札幌劇場祭の賞についてです。
その年によって変わってくると思いますが、札幌劇場祭の審査は、大体は演劇を専門職としない、いわば一般のお客さんの延長線上にいる幅広い年齢層の人たちによって行われます。(これは多分他にない特徴なので、「札幌は演劇が盛ん」と言われる理由はこんなところにもあるのかもしれません。)演劇外の専門分野に携わる中で培われてきた価値観があるので、作品の捉え方は人によって異なります。演劇に専門的に携わる方々の評価軸とは少しずれるかもしれないけれど、結果として、事前審査と当日の意見交換をふまえ一定以上の合意を得て選ばれる作品は、やっぱり多くの人を納得させる力があるものだと思いました。
審査員の構成に見る「観劇歴も価値観も異なる人たちが集まっている状況」というのは、札幌という街の1つの縮図と考えることもでき、だからこそここで選ばれる作品は、札幌に暮らす性別も年齢も立場も異なる多くの人に自信を持って勧めることができる。それが札幌劇場祭の賞の性質ではないかというのが、自分がたどりついた結論です。翌年に再演される大賞作品が、まだ一度も演劇を見たことのない人にとっての入口となり、そこから札幌劇場祭や演劇シーズンに興味を持つ人が増え、観劇人口が増えていくことを期待します。

演じる側にとっても見る側にとっても、最大の魅力は観客や作品との一対一の対話であり、そこに生まれる関係性が何より大事だと思います。(劇場祭のオーディエンス賞は、そこをすくい取る良い賞だと思う。)
ただ、つくり手からしても価値観の異なる人の意見を聞くことができ(さらに言うなら、講評を担当する審査員以外の6人は、その作品に対してまた違った意見を持っています)、20以上の作品と同じまた板の上に乗せられダイレクトに比べられる札幌劇場祭という場も、有効に活用してほしい。現在はフェスティバルやコンクールなど専門的な評価を得ることのできる場も増えていますので、そういうところにもどんどん挑戦してほしいと思います。そして、全国的な賞をとった地元の劇団から、「でもやっぱり札幌劇場祭の賞が一番うれしいな」と思われるようになったら素敵だなと。
札幌劇場祭という取り組みをこれからも応援していこうと心に誓いつつ、まだ1年任期が残っておりますので、次回も1つ1つの作品とじっくり向き合いながら、審査員も含めいろいろな方々と作品について話せればと。
来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

ドゥヴィーニュ仁央

(以上)

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